屋久杉とヤクシカ——屋久島の自然が子どもの感性を育てる理由を現場から考える
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屋久島の自然は、教室の外にある「本物の教材」
屋久杉、ヤクシカ、ウミガメの産卵、苔むした巨岩。屋久島に暮らしていると、こうした自然との出会いが日常にあります。子どもたちにとってそれは、図鑑やスクリーンの向こうにあるものではなく、手で触れて、においをかいで、声を聞いて感じるものです。
あゆみの森こども園(屋久島町尾之間)では、こうした屋久島の自然環境を保育の中に積極的に取り込んでいます。森の活動では、苔のフワフワした感触や、朽ちた木の中にいる虫を見つける経験をします。こういった体験が子どもの感性や知的好奇心の土台をつくると、現場で日々感じています。
屋久杉が子どもに教えてくれること
屋久島の山中には、樹齢千年を超える屋久杉が生きています。子どもたちがその幹に手を当てて「大きい」と言うとき、それは単なる感想ではありません。自分の存在を相対化する、ある種の体験です。
あゆみの森こども園は地杉(屋久島産のスギ)を建材に使った園舎を使っています。保育室の天井や壁に木の質感があり、その香りと温かみが日常にあります。子どもたちは毎日その空間で過ごしながら、木というものを肌感覚で知っていきます。これは都市部のコンクリート造りの保育室では得にくい経験です。

ヤクシカとの出会いが生まれる場所
尾之間の集落周辺では、夕方になるとヤクシカが姿を見せることがあります。体が小さく、本土のシカより一回り小さいヤクシカは、子どもたちの目線に近く、初めて見た子どもが声を上げて驚く場面に何度も立ち会いました。
「なんで角があるの?」「何を食べてるの?」「どこで寝てるの?」——次々と湧き出る問いが止まらなくなります。この「知りたい」という気持ちこそが学びの原点です。図鑑でヤクシカの写真を見るのとは全く違う、生きた体験がそこにあります。
自然の中で育まれる「問いを立てる力」
保育の現場で感じるのは、自然との出会いの数が多い子どもほど、問いを立てるのが上手になるということです。「なぜ?」「どうして?」と聞いてくる子は、それだけ外の世界に興味を持っているということです。屋久島の自然はその問いの種を毎日ばらまいてくれます。

自然保育の視点から見た、屋久島という環境の意味
近年、自然の中で過ごす保育が子どもの発達に与えるポジティブな影響について、多くの研究や実践が積み重なってきています。あゆみの森こども園では、保育のベースに自然との関わりを置きながら、ジェンベを使った音楽活動や食農体験など、多様な表現活動と組み合わせた保育を実践しています。
屋久島という場所は、世界自然遺産に登録されているほどの豊かな生態系を持っています。その環境の中で育つことは、子どもたちにとって何十冊の教科書よりも濃い経験になると感じています。
見学・お問い合わせ
あゆみの森こども園では、入園を検討されている方の見学をお待ちしています。実際に子どもたちが過ごす環境をご覧いただき、保育の雰囲気を肌で感じてください。
見学のご予約・お問い合わせはLINE公式アカウントからお気軽にどうぞ。日々の活動の様子はInstagram(@ayuminomori_yakushima)でも発信しています。
「本物の体験」が育てる、言語化されない力
保育の現場で毎日感じることがあります。それは、自然の中での体験は子どもに「言語化されない力」を与えるということです。虫の動きを目で追い続ける集中力、苔の感触に「うわ」と声を上げる感覚の敏感さ、倒木の上をバランスをとりながら歩くときの身体感覚。これらは、何かの「スキル」として教えることのできないものです。
でも、それが積み重なっていくと、子どもは少しずつ「世界は面白い」という感覚を持つようになります。その感覚こそが、これからの時代を生きていくための根っこになると感じています。屋久島の自然は、その根っこを育てる場所として、これ以上ない環境だと思っています。改めて見学にお越しいただき、そのことを肌で感じていただければ嬉しいです。




