世界遺産の森が「いつもの場所」になるこども園|屋久島あゆみの森の日常
森の中でパンを焼いた日のこと
「今日は森でパンを焼くよ」と伝えたとき、子どもたちの目がぱっと輝きました。森の活動の日、いつもの照葉樹林に出かけた子どもたちが体験したのは、自分の手でこねたパン生地を炭火でじっくり焼くという活動です。
枝にパン生地を巻きつけて、炭火のそばでゆっくり回す。焦げないように見守りながら、じわじわと膨らんでいく生地。「まだかな」「いいにおいする」「ちょっと茶色くなってきた」。焼き上がるまでの時間を、子どもたちは全身で待っていました。
こういう体験は、園舎の中では絶対にできません。火の温度、煙の匂い、炭がはぜる音。五感のすべてが使われる場面です。そして世界自然遺産の森の中で食べるパンの味は、子どもたちにとって格別だったようで、小さなパン一つを大事そうに頬張っていた姿が今も記憶に残っています。

屋久島の自然がすぐそこにあるということ
あゆみの森こども園は、世界自然遺産の島・屋久島の尾之間集落にあります。園舎から車で少し走れば苔むした原生林にたどり着く。園庭に立てば屋久島の山々が見える。この距離感は、都市部の保育園では実現できないものです。
でも大切なのは、距離が近いだけでなく、その自然を保育の中に取り込んでいることです。月に数回の特別なイベントではなく、日常の保育と森がつながっている。園庭のアコウの木で遊ぶ感覚の延長で、子どもたちは森に入っていきます。
「遠足」ではなく「いつもの場所」
遠足と森の活動の違いは、「特別な場所に行く」のか「いつもの場所に行く」のかです。遠足は非日常のイベントで、ワクワクする一方で緊張もある。当園の森の活動は、繰り返し同じ森に通うことで子どもたちが「ここは自分の場所だ」と感じられるようにしています。
何度も通うから、前回との違いに気づく。「前に来たとき、ここにきのこがあったのに」「この石、動いてる」「あの木、葉っぱが減った」。大人が教えなくても、子どもは自分の記憶と目の前の景色を照らし合わせて変化を見つけます。そうした観察力は、一度きりの体験では育ちません。世界遺産の森は観光で一度訪れる場所ではなく、この園の子どもたちにとっては何度も帰る場所です。

自然保育以外の取り組み
あゆみの森こども園は自然保育を大切にしていますが、それだけの園ではありません。ジェンベという西アフリカの太鼓を使ったリズム教育では、子どもたちが体全体でリズムを感じる体験をしています。食育では園の畑でジャガイモを育て、味噌を手作りしています。2歳児から5歳児の異年齢保育、自園調理の給食、地域との密なつながりも園の特徴です。
園児28名に対して保育士5名と保育補助4名の体制で、一人ひとりに目が届く規模を保っています。世界遺産の島にあるという立地に甘えるのではなく、子どもの成長をあらゆる角度から支える保育を目指しています。
入園・見学について
1歳から5歳までのお子さんをお預かりしています。現在、各年齢で若干名の空きがあります。屋久島への移住を検討されている方、島内にお住まいの方、どちらもお気軽にお問い合わせください。園見学は随時受け付けています。
保育士の採用も行っています。世界遺産の島で保育の仕事がしたいという方を歓迎します。職員寮完備(家賃月5万円、正職員は住宅手当で半額)、保育士資格保持者には就職準備金40万円以内の支給があります。詳細は採用情報ページをご覧ください。
お問い合わせ
入園・見学・採用に関するお問い合わせは、LINE公式アカウントからお気軽にどうぞ。
園の日常の様子はInstagramで発信中です。屋久島の自然とともに過ごす子どもたちの姿をぜひご覧ください。



