褒めすぎも逆効果?保育士が実践する「認める子育て」と叱らない環境づくり
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褒めすぎると子どもはどうなるのか
「褒めて育てましょう」という言葉を、育児書やSNSでよく見かけます。褒めることが大切なのは間違いありません。でも、何でもかんでも褒めればいいのかというと、そう単純でもない。保育の現場で子どもたちを見ていると、褒められることに依存してしまうケースに出会うことがあります。
「先生、これ上手?」「これ、すごい?」。何かをするたびに大人の評価を求める。褒められないと不安になって、次の行動に移れない。これは「褒め」が外的な報酬になってしまい、内発的なモチベーションが育っていない状態です。
「認める」と「褒める」は違う
褒めることが難しいと感じたら、「認める」という声かけを意識してみてください。褒めるは「評価」、認めるは「事実の確認」です。
「上手だね」は評価。「最後まで自分でやったんだね」は事実の確認。後者のほうが、子どもにとっては「見ていてくれた」という安心感につながります。やったことをそのまま言葉にして返す。それだけでも、子どもの心は満たされます。

叱らなくていい環境をつくる
叱る回数を減らしたいなら、叱らなくて済む環境を整えるのが効果的です。触ってはいけないものを手の届かないところに置く。走ってほしくない場所には走りたくなる直線をつくらない。保育の現場では「環境設定」と呼んでいます。
家庭でも同じ考え方ができます。毎日「それ触らないで」と言っているなら、置き場所を変えてしまう。何度言っても走り回る場所があるなら、家具の配置を変えてみる。叱る原因を環境で取り除く。すると親も子もストレスが減ります。
失敗を叱らないという選択
コップの水をこぼした、服を汚した、おもちゃを壊した。子どもの「失敗」は毎日起きます。でも、これらはほとんどの場合、わざとやったことではありません。手の力加減がまだ未熟、注意力が発達途上。体の発達段階を考えれば、失敗して当然のことが多いのです。
「あーあ、またこぼしたの」ではなく、「こぼれちゃったね。一緒に拭こうか」。失敗を責めるのではなく、リカバリーの方法を教える。これは保育の現場でも毎日意識していることです。拭き方を教えてもらった子どもは、次に自分からタオルを取りに行くようになります。

第三者が叱ることの意味
家庭では叱れないけれど、保育園の先生に叱ってもらえると助かる。そういう声を聞くことがあります。確かに、親以外の大人から注意されることは、子どもにとって大切な経験です。「ダメなことはダメ」と、親以外の人にも言われることで、社会のルールを学んでいきます。
小さな園では、保育士と子どもの関係が密接です。信頼関係ができているからこそ、叱っても子どもが安心していられる。「この先生は自分のことを大切にしてくれている」という土台があるから、叱られても「嫌われた」とは思わない。叱ることは、関係性の上に成り立つコミュニケーションです。
完璧な親でなくていい
子育ての正解は一つではないし、同じ方法が全ての子どもに通用するわけでもありません。大事なのは、目の前の子どもをよく見て、その子に合った関わり方を探し続けることです。試行錯誤の連続で疲れることもありますが、その姿勢こそが子どもへの愛情の形だと私は思います。
つい怒鳴ってしまった日もあるでしょう。理想通りの声かけができなかった日も。それでも、「今日の言い方はよくなかったな」と振り返れること自体が、子どもに向き合っている証拠です。子育てに正解はありません。でも、子どものことを考え続けている時点で、あなたは十分にいい親です。
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