屋久島の森で子どもたちが見つけたもの|自然保育の現場から

松ぼっくりを頭に乗せた子どもたち

森の活動から戻ったあと、子どもたちがやったことは宝物の見せ合いでした。それぞれが森で拾った自然物をタオルの上に並べて「見て見て」と友だちに見せ始めたんです。小さな石、枝の破片、苔のかけら、どんぐり。大人の目にはガラクタに見えるかもしれません。でも本人たちにとっては、森から持ち帰った大切な戦利品です。

そのうちの一人が松ぼっくりを頭に乗せて得意げにしていたら、隣の子も真似をして、気がつけば何人もの頭に松ぼっくりが乗っていました。落とさないようにそろりそろりと歩く姿がおかしくて、保育士も子どもたちも大笑い。こういう場面は計画して起こせるものではありません。

苔むした岩や木に触れて感触を確かめるあゆみの森こども園の園児

「拾ってきたもの」に保育のヒントがある

森の活動の後に子どもたちが持ち帰るものを見ていると、その子が森で何に興味を持ったかが見えてきます。石ばかり集める子は地面をよく見ている。枝を拾う子は形に注目している。葉っぱを持ってくる子は色の違いに気づいている。同じ森を歩いても、一人ひとりの目が向く先はまったく違います。

保育士としてこうした一人ひとりの違いに気づくことが、次の活動のヒントになります。石に興味がある子には、翌日の園庭遊びで石を使った遊びを提案してみる。色に敏感な子には、絵の具や染め物の活動を用意する。森の活動は単発のイベントではなく、日常の保育とつながっている。それが当園の自然保育の考え方です。

屋久島の森が「教室」になる

あゆみの森こども園の森の活動は、園舎から車で出かける形で定期的に行っています。行き先は屋久島の照葉樹林。苔むした巨岩、うっそうとした緑、清流の音。大人でも圧倒されるような原生的な森に、子どもたちは帽子をかぶって入っていきます。

保育士の役割は「教えない」こと

森の中では、保育士は基本的に「教えない」立場をとります。「この木の名前は」とか「この虫は」とか、知識を与えることが目的ではないからです。大切なのは、子どもが自分の手で触れて、自分の鼻で嗅いで、自分の言葉で「これ何だろう」と問いを持つこと。その問いが生まれた瞬間に「何だと思う?」と返す。それが森の活動での保育士の関わり方です。

もちろん安全管理は最優先です。足場の悪い場所、滑りやすい岩、虫や植物の危険。保育士は常に周囲に目を配りながら、子どもたちが安心して探索できる範囲を見極めています。自由に遊ばせることと放任することはまったく違います。安全の枠組みの中で最大限の自由を保障する。そのバランスが自然保育では欠かせません。

黄色い帽子をかぶって森の中を歩くこども園の園児たち

季節によって変わる森の表情

同じ場所に何度も通うことで、子どもたちは季節による森の変化に気づくようになります。春は新芽と花、夏は生い茂る緑と虫の合唱、秋は落ち葉と木の実、冬は葉が落ちて見通しが良くなった森。同じ道を歩いているのに、毎回違う発見がある。

屋久島の冬は本州ほど厳しくはありませんが、朝はモッチョム岳が白く霞んだり、水たまりに薄い氷が張ったりすることもあります。「前に来たときと違う」と気づく力は、繰り返し同じ森に通うからこそ育ちます。一回きりの遠足では得られない、継続の力です。

自然保育に興味のある方へ

自然保育に関心のある保護者の方、保育士の方が増えています。あゆみの森こども園では、入園を検討中の方向けの見学のほか、保育士の採用見学も受け付けています。森の活動の日に合わせて見学していただくことも可能ですので、ぜひ実際の子どもたちの姿を見にいらしてください。


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園の保育内容については園のご案内ページもあわせてご覧ください。

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