【2026年】屋久島の森の活動とは|自然保育で育つ子どもの力

森の妖精「ムッレ」がやってきた日

12月のある日、あゆみの森こども園に不思議なお客さんがやってきました。森の妖精「ムッレ」です。その年の森の活動のファイナルとして企画された特別な一日で、ムッレと一緒に森の中へ出かけていきました。

ムッレとはスウェーデン発祥の自然教育プログラムに登場するキャラクターで、「森の大切さ」を子どもたちに伝える存在です。子どもたちはムッレの姿を見た瞬間、目を丸くしていました。怖がる子はほとんどおらず、「ムッレ、こっちだよ!」と手を引いて森の中を案内しようとする子もいたほどです。

この日を迎えるまでに、子どもたちは一年を通して何度も森に入っています。だから森は「怖い場所」ではなく「自分たちの遊び場」。その感覚があるからこそ、ムッレを森に連れていこうとする行動が自然に出てきたのだと思います。

屋久島の森の中で探検を楽しむあゆみの森こども園の子どもたち

あゆみの森こども園の「森の活動」とは

当園では定期的に森の活動を実施しています。屋久島の照葉樹林に出かけ、子どもたちが自然物に触れ、観察し、遊ぶ時間です。毎週決まった曜日に行うというよりは、季節や天候、子どもたちの状態を見ながら柔軟に計画しています。

森の活動では、大人が用意したプログラムをこなすわけではありません。森に入って何をするかは、子どもたち自身が決めます。苔を触る、石をひっくり返して虫を探す、倒木に登る、落ち葉を集める。「今日はこれをしましょう」とは言わない。子どもの目が何に向くか、手が何に伸びるかを見守ることが、保育士の役割です。

屋久島だからこそできること

屋久島は島全体が亜熱帯から冷温帯までの植生を持つ、世界でも珍しい自然環境にあります。園から車で少し走れば、苔むした巨岩と清流が流れる原生的な森にたどり着きます。この距離感が重要です。遠足のように何時間もかけて「特別な場所」に行くのではなく、日常の延長として森がある。だから子どもたちにとって森は非日常の場所ではなく、園庭の続きのような感覚なのだと思います。

園庭にはシンボルのアコウの大木があり、子どもたちは毎日その下で遊んでいます。そこから始まる自然との関わりが、森の活動へと自然につながっていくのです。

杉の巨木が立ち並ぶ屋久島の原生林の風景

自然保育が育てるもの

自然保育という言葉を聞くと「自然の中で遊ばせるだけでしょ」と思われることがあります。でも、園長として子どもたちの姿を見てきて確信しているのは、自然の中での体験は子どもの内面に深く作用するということです。

森の中では予測不能なことが起きます。足元の地面は平坦ではなく、天候も変わる。枝を踏んで折れる音、鳥の声、風の匂い。五感をフルに使わなければ歩くことすらできません。この「予測不能さ」こそが、子どもの判断力や対応力を育てます。整備された遊具の上では得られない「生きた経験」が森にはあります。

「こわい」も大切な感情

森に入ると「こわい」と言う子もいます。暗い場所、見たことのない虫、ぬるっとした苔の感触。その「こわい」という感情を否定しないことが大切です。「大丈夫だよ」と安易に言うのではなく、「こわいんだね」と受け止める。そのうえで、保育士がそばにいて、少しずつ近づいてみる。そうすると子どもは自分のペースで「こわい」を乗り越えていきます。

ムッレが来た日、森の奥まで一緒に歩いた子どもたちの表情は、朝とは明らかに違っていました。少し誇らしげで、少し疲れていて、でも満足している顔。こうした一日が、子どもの中に積み重なっていくのが自然保育の価値だと考えています。


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