【2026年】ジェンベで育むリズム教育|集中力・表現力・協調性への効果とは
デッキの上で響いたジェンベの音
2月の子どもプロジェクト。オープニングはアフリカンダンスでした。保護者でもある講師の方がアフリカの衣装を身にまとい、子どもたちの前に立ちました。ジェンベのリズムが鳴り始めると、デッキの上で体が動き出す。子どもたちも最初はきょとんとしていましたが、太鼓の振動が足元から伝わってくると、自然と体が揺れ始めました。
あゆみの森こども園では、ジェンベを使った音楽活動を保育の柱のひとつにしています。ジェンベとは西アフリカ生まれの太鼓で、手のひらで叩いて音を出します。ピアノや鍵盤ハーモニカとは異なり、特別な技術がなくても「叩けば音が出る」。この即時性が、幼児期のリズム教育にとても合っていると感じています。

なぜジェンベなのか
園にはピアノもあります。音楽活動にピアノを使うことももちろんあります。では、なぜわざわざジェンベを取り入れているのか。
一番の理由は「体で感じられる」ことです。ジェンベの振動は空気だけでなく、床や体に直接伝わります。子どもたちは耳で聞くだけでなく、手のひらの痛みや振動、隣の子の音との重なりを全身で体験します。楽譜を読む必要はありません。楽器の経験も不要です。2歳児でも5歳児でも、叩いた瞬間に「自分の音」が生まれる。その実感が、子どもたちを夢中にさせるのだと思います。
リズム教育がもたらす3つの効果
ジェンベを使ったリズム教育を長年続けてきて、園長として実感している効果が3つあります。
まず「集中力」です。ジェンベの活動中、子どもたちの目つきが変わります。先生のリズムを聞いて真似をする、友だちと音を合わせる。耳を澄ませて手を動かすという動作には、かなりの集中力が必要です。普段は落ち着きがない子でも、ジェンベの前に座ると別人のように集中する場面を何度も見てきました。
次に「表現力」です。同じリズムを叩いても、強く叩く子、やさしく叩く子、速く叩く子、ゆっくり叩く子。個性がそのまま音に出ます。「こう叩きなさい」とは言いません。その子なりの音を認めることが、自分を表現する力の土台になると考えています。
そして「協調性」です。みんなでひとつのリズムを合わせるとき、自分だけ速くても遅くても成り立たない。他の人の音を聞きながら自分の音を調整する。これは言葉を使ったコミュニケーションとは別の、体で学ぶ協調性です。

年齢ごとの関わり方
ジェンベの活動は2歳児から5歳児まで行っていますが、年齢によって関わり方は違います。2歳児はまず「叩くと音が出る」ことそのものを楽しみます。リズムを合わせることは求めません。3歳児になると簡単なリズムパターンの真似ができるようになり、4歳・5歳になると友だちとの合奏に発展していきます。
異年齢で一緒にジェンベを囲むこともあり、年長の子が叩いているリズムを年少の子が真似しようとする姿が自然に見られます。教えるのではなく、見て聞いてまねる。その循環がジェンベの場では特に生まれやすいように感じます。
「音楽教育」ではなく「リズム体験」
当園のジェンベ活動は、いわゆる「音楽教育」とは少し違うかもしれません。音符の読み方を教えたり、決められた曲を演奏したりすることが目的ではありません。大事にしているのは「リズムを体で感じること」「自分の音を出すこと」「みんなの音と重なる心地よさを知ること」。結果として集中力や表現力が育っていきますが、それは副産物であって、目的ではないのです。
屋久島の尾之間という小さな集落で、アフリカ生まれの太鼓を子どもたちが叩いている。少し不思議な光景かもしれませんが、ジェンベの響きはこの島の自然とよく合います。森の中で鳥の声を聞くように、体の奥でリズムを感じ取る。その体験が子どもたちの中に何を残すのか、これからも見守り続けたいと思います。
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