ジェンベのリズムに体が反応する|「正しさ」より「感じること」を大切にする音楽活動
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太鼓の音が鳴ると、体が勝手に動き出す
子どもプロジェクトのアフリカンダンスのリハーサルでのこと。振り付けを教わっている最中に、動きが止まってしまう子が何人かいました。頭で考えようとして、手と足がバラバラになってしまう。「次はどうするんだっけ」と迷っている表情が見えました。
ところが、ジェンベの音が再び鳴った瞬間、体がまた動き始めたんです。さっきまで固まっていた子の腕が揺れ、足が踏み出す。頭ではなく体がリズムに反応していました。この場面を見て、リズム教育の本質はここにあるのだと感じました。
「正しさ」ではなく「反応」を育てる
音楽教育というと「正しい音を出す」「正しいリズムで叩く」というイメージを持つ方が多いかもしれません。ピアノ教室やリトミックでは、先生のお手本どおりにできることが目標になることが多い。
あゆみの森こども園のジェンベ活動で大切にしているのは、正しさよりも「反応」です。音が鳴ったら体が動く。リズムを感じたら手が叩きたくなる。そうした生理的な反応を、抑え込まずにそのまま出していいんだよ、という環境を作ること。それがリズム教育の入口だと考えています。

ジェンベが「合わない子」はいない
ピアノは鍵盤を押す指の力や位置が必要で、小さな子には難しい面があります。リコーダーは息のコントロールが求められます。でもジェンベは手で叩くだけ。1歳児でも音を出せます。
保育の現場で日々子どもたちを見ていて感じるのは、ジェンベには「合わない子」がいないということです。もちろん、積極的に叩く子もいれば、最初は遠くから見ている子もいます。でも、不思議と全員が何かしらの形でジェンベの音に反応します。足でリズムを刻んでいたり、首をゆらゆら揺らしていたり。叩かなくても参加している子がいる。その事実が、ジェンベという楽器の懐の深さだと思います。
ジェンベの音は「聞く」ではなく「浴びる」
ジェンベの音は、スピーカーから流れる音楽とはまったく違います。太鼓の振動が空気を揺らし、床を伝わり、体の芯に届く。子どもたちはジェンベの音を「聞いている」というより「浴びている」感覚に近いのだと思います。
園舎に並べた本格的なジェンベを子どもたちが囲んで叩くとき、部屋全体がひとつの楽器になったような感覚があります。壁も床も振動していて、その中に子どもたちがいる。その空間にいるだけで、体のどこかが反応する。言葉で「リズムを感じなさい」と教えるよりも、ずっと深いところに届いています。

リズム教育が日常に溶け込む園
ジェンベの活動は特別な時間として設定されていますが、その効果は日常の保育にも滲み出しています。手洗いのときにリズムを口ずさむ子、お片づけの時間に手拍子でリズムをとる子。ジェンベで培ったリズム感覚が、生活の中に自然と現れてきます。
また、ジェンベの活動では「みんなで音を合わせる」経験を積むため、友だちの話を聞く姿勢や、順番を待つ力にもつながっていると感じます。太鼓の前では、いつも元気な子が静かに待つ場面もあるし、普段おとなしい子が力強い音を出すこともある。日常とは違う一面が見えるのもジェンベの時間の面白さです。
屋久島の自然の中で、アフリカ生まれの太鼓を叩く子どもたち。地理的にはかけ離れた文化ですが、リズムという人間の根源的な感覚でつながっている。そう考えると、この島でジェンベを叩くことにも不思議な必然性を感じます。
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