行事が少ない保育園は物足りない?|日常の中で季節を感じる屋久島の子育て
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行事が少ないこども園の話
保育園を選ぶとき、行事の多さを気にする保護者の方がいます。運動会、発表会、遠足、夏祭り、クリスマス会、餅つき大会。行事が多い園は一見すると充実しているように見えます。でも、それは本当に子どものための行事でしょうか。
正直に言えば、行事の準備は保育士にとって大きな負担です。通常の保育に加えて衣装の制作、飾り付け、プログラムの作成、リハーサル。行事のための練習が増えれば、日々の保育が圧迫されます。そして保護者にとっても、持ち物の準備や参加日の調整が増える。全員が疲弊して終わる行事に、どれだけ意味があるのか。
当園の行事はシンプル
あゆみの森こども園には発表会がありません。運動会は11月に1回。大きな保護者参加行事はそれほど多くありません。その代わり、日常の保育の中に季節を感じる活動を織り込んでいます。
2月の子どもプロジェクトは、日頃の活動の延長線上にある行事です。見せるための練習を何週間もするのではなく、普段やっていることをそのまま保護者に見てもらう形です。今年のリハーサルでは、そら組(2歳児)の劇「ぼうし」で、全員が緊張せずに自分の役をやり切っていました。普段参加しない子もセリフを言い、じゃがいもの収穫のシーンやダンスまでこなしていた。日常の積み重ねがあるからこそ、特別な練習なしでも堂々とできるのだと思います。

季節を感じる活動は毎日のこと
行事という形をとらなくても、季節は毎日感じられます。冬の朝、車のフロントガラスが凍り、モッチョム岳が白くなった日。デッキの水たまりに氷が張っているのを見つけて、「今朝、雪を触ったよ!」と興奮して報告してきた子がいました。こうした発見は行事では得られません。日常の中にしかない体験です。
味噌づくりも季節の活動の一つです。「どんな匂いがする?」と聞いたら、麦をほぐしているときに「納豆の匂い!」、大豆をつぶしているときに「トウモロコシの匂い!」と答えた子どもたち。大豆を団子にしてバケツにえいっ!と投げ入れる作業が一番盛り上がりました。「もう一回やりたい!」の声が止まらなかった。
こうした活動は、行事予定表には載らないかもしれません。でも子どもの中には確実に残る。季節の移り変わりを五感で感じた記憶は、大人になってからも消えないものです。

季節の変化を食で感じる
当園の給食は自園調理で、地域の食材を使っています。豆腐や食パンなど、島でつくられたものが食卓に並びます。季節ごとに旬の食材が変わるので、子どもたちは食事を通じても季節を感じています。自分たちが育てたジャガイモが給食に出た日の子どもたちの誇らしげな顔は、毎年見ても飽きません。食べることと育てることがつながっている実感は、食育の原点だと思います。
保護者にとっての「ちょうどいい」行事
行事が少ないことに不安を感じる保護者もいらっしゃいます。「他の園はもっとやっているのに」「子どもの姿を見る機会が少ないのでは」。その気持ちは理解できます。
でも、当園では保護者が園の活動に関わる機会を別の形で用意しています。ペンキ塗りや草刈りの環境整備活動に参加してもらったり、日々の活動の様子をInstagramで配信したり。行事の日だけではなく、日常的に園の中が見えることのほうが、安心感につながるのではないかと考えています。
園の行事や活動について聞いてみたい方へ
あゆみの森こども園の年間行事や日常の活動について、ご質問があればLINE公式アカウントからお気軽にどうぞ。
日々の様子はInstagramでも配信しています。




