藍染めで広がる子どもの表現力|屋久島の保育園で見た「色をつくる」体験

子どもと一緒に「色をつくる」体験

クレヨンや絵の具で色を塗ることはあっても、「色そのものをつくる」体験をしたことのある子どもは少ないのではないでしょうか。藍染めは、植物から色を取り出して布を染めるという、まさに「色をつくる」活動です。自然の中にこんな鮮やかな青が隠れていたんだ、という驚き。それは子どもだけでなく、大人にとっても新鮮な体験です。

あゆみの森こども園では、藍染めを表現活動のひとつとして取り入れています。絵を描く、粘土をこねる、歌をうたう——そうした表現活動の中に、「布を染める」という選択肢が加わりました。子どもたちがどう反応するか、正直やってみるまでわかりませんでしたが、結果は予想以上でした。

小さな手で土や砂を触って感触を楽しむあゆみの森こども園の園児

藍染めの日、子どもたちの様子

藍染めの日は朝から子どもたちがそわそわしています。「今日は染めるんでしょ?」と何度も聞いてくる子もいます。まずは布を輪ゴムや紐で絞る作業から。どこをどう絞るかで模様が変わることを説明すると、真剣な顔で布を見つめて考え始めます。

染液に布を浸す瞬間は、みんな息を止めるように静かになります。「入れていいよ」の声で一斉にジャポン。引き上げたときの歓声がすごい。最初は黄緑色だった布が、空気に触れてじわじわと青色に変わっていく。その変化を間近で見る子どもたちの目は、本当にキラキラしています。「なんで色が変わるの?」という質問が飛んでくるのも、この瞬間です。すべてに科学的に答える必要はないけれど、「不思議だね、なんでだろうね」と一緒に考えることが大切だと思っています。

2歳児と5歳児で違う楽しみ方

あゆみの森こども園は2歳から5歳までの異年齢保育を行っているので、藍染めの活動にも年齢による違いが出て面白いです。2歳児は布を染液に浸す感触そのものを楽しむ。手が青くなるのが面白くて、何度も触りたがります。一方、5歳児になると「こういう模様にしたい」と計画を立てて、絞り方を工夫し始めます。年上の子が年下の子に「ここ持っててね」と教える場面が自然に生まれるのも、異年齢保育ならではの光景です。

苔むした森の中で自然物に触れるあゆみの森こども園の子どもたち

レッジョ・エミリアと藍染め

あゆみの森こども園が大切にしているレッジョ・エミリアの保育理念では、子どもは「100の言葉」を持つ存在とされています。言葉だけでなく、絵や音楽や身体表現など、さまざまな方法で自分を表現できるということです。藍染めは、その表現の方法をひとつ増やしてくれる活動だと捉えています。

大人が手本を見せて「同じようにやりなさい」というのではなく、子ども自身が素材と対話しながら自分の表現を見つけていく。その過程を見守り、必要なときだけ手を貸す。藍染めの活動はレッジョ・エミリアの理念にとてもよく合っていて、子どもたちの表現力を引き出す絶好の機会になっています。

保護者の反応

藍染めの活動を始めてから、保護者の方々の反応も好意的です。「家に帰ってきて、藍染めの話をずっとしていた」「自分で染めたハンカチを宝物のように持っている」という声をいただいています。中には「大人もやってみたい」とおっしゃる保護者もいて、いずれ親子で藍染めを楽しむイベントもできたらいいなと考えています。子どもの体験が家庭にも広がっていく。それは保育の活動として、とてもうれしい反応です。

今後の展開

藍染めの活動は始まったばかりです。今後は園で藍を育てるところから挑戦してみたいと考えています。種をまいて、水をやって、葉を収穫して、染液をつくって、布を染める。食育のように「育てる→使う」のサイクルを体験できれば、さらに深い学びになるはずです。失敗もあるかもしれませんが、それも含めて保育だと考えています。子どもたちと一緒に試行錯誤していきたいと思います。


見学のご案内

あゆみの森こども園では園見学を随時受け付けています。藍染めや森の活動、ジェンベ演奏など、園の保育を実際に見ていただけます。

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