【2026年】世界遺産の島で子どもが育つ|屋久島の自然がもたらす学び

世界遺産の島に保育園があるということ

屋久島が世界自然遺産に登録されたのは1993年。白神山地とともに、日本で初めて世界自然遺産に選ばれました。樹齢数千年の屋久杉、多様な植生の垂直分布、年間を通じて豊富な降水量がもたらす独特の生態系。観光客が世界中から訪れるこの島に、私たちの保育園があります。

「世界遺産の島で子どもを育てる」と言うと、何か特別な教育プログラムを想像されるかもしれません。でも実際は、もっとシンプルです。窓を開ければモッチョム岳が見え、園庭のアコウの木に子どもたちが毎日登り、散歩に出れば亜熱帯の植物が迎えてくれる。世界遺産の自然が、日常のすぐ隣にある。それがこの島の保育です。

杉の巨木が立ち並ぶ屋久島の原生林の風景

教科書では学べない「本物」に触れる

屋久島の自然は、子どもにとって巨大な学びの場です。図鑑で見る苔と、手で触れる苔はまったく違います。森の活動で「感触」がテーマの日、苔はフワフワ、土はチクチク、切り株の中はパンみたいと子どもたちが表現していました。同じ「フワフワ」でも苔を選ぶ子と土を選ぶ子がいて、感じ方は一人ひとり違う。こういう多様な感性は、本物に触れることでしか育ちません。

12月の森の活動ファイナルでは、「緑・黄・赤の自然物を探せ!」というミッションに取り組みました。クロロフィル・カロテノイド・アントシアニンという色素の「友だち探し」です。「クロロフィルいるかも?」と夢中で葉っぱを集める子どもたちの姿を見ていると、学びは教え込むものではなく、環境が引き出すものだと実感します。

生態系の多様性を肌で感じる

屋久島の特徴のひとつに、亜熱帯から亜高山帯までの植生が一つの島に凝縮されている点があります。海岸沿いにはガジュマルやアコウなどの亜熱帯植物、山を登れば照葉樹林からスギ林、さらに高地にはヤクシマシャクナゲの群落。「洋上のアルプス」と呼ばれるゆえんです。

子どもたちは日々の生活のなかで、この多様性に自然と触れています。園庭で見る植物と、森の活動で出会う植物が違うこと。季節によって花の色や虫の種類が変わること。2月には島の寒緋桜が満開になり、園の桜も咲き始めました。卒園児が植えた桜にはまだ花は咲きませんが、新芽が出ていました。こうした小さな変化に気づく目を、この島の自然が育ててくれます。

緑の葉が生い茂る屋久島の亜熱帯樹木

「守る」意識が芽生える場所

世界遺産とは、人類共通の財産として守るべき自然や文化のことです。難しい概念ですが、子どもたちは日々の暮らしのなかでその意味を体感しています。

森の中で遊んだあと、ゴミを持ち帰ること。生き物を捕まえたら元の場所に戻すこと。「この森は大事にしなきゃね」と自分の言葉で語る子どもがいます。それは大人が教えたからではなく、自分が好きな場所を守りたいという自然な感情です。

幼児期にこうした原体験を持つことは、将来の環境意識の土台になります。SDGsや環境教育が叫ばれる時代ですが、教室でスライドを見せるよりも、苔むした森を歩くほうがよほど深く届くものがあります。

観光ではなく「暮らし」のなかの世界遺産

観光で屋久島を訪れる人は、縄文杉を見て帰っていきます。それは素晴らしい体験ですが、一度きりの体験です。この島に暮らす子どもたちは、世界遺産の自然を一度きりのイベントではなく、日常として繰り返し体験しています。

繰り返しだからこそ、季節の変化に気づきます。同じ森でも、夏と冬では光の差し方が違う。雨上がりの苔は乾いているときとは別の輝き方をする。こうした微細な変化を感じ取る力は、長い時間をかけて同じ場所に通い続けることで育つものです。都市部の保育園がどんなに工夫しても、この部分だけは再現できません。

園長として、この環境を子どもたちに手渡せることが何よりの財産だと感じています。世界が認めた自然のなかで育つ5年間は、子どもの人生にとって、かけがえのない時間になると信じています。


世界遺産の島の保育園を見てみませんか

あゆみの森こども園では、屋久島の自然を活かした保育を日々実践しています。興味のある方は、ぜひ一度見学にお越しください。

見学のお申込みやご質問はLINE公式アカウントからどうぞ。

日々の活動の様子はInstagramで配信しています。

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