子どもの偏食は「わがまま」じゃない|保育園での食の関わり方
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偏食は「わがまま」ではないんです
「好き嫌いが多くて困っている」という保護者の声を聞くと、つい「もっと頑張って食べさせなきゃ」と思ってしまうかもしれません。でも、子どもの偏食には発達上の理由があることがほとんどです。わがままで食べないのではなく、まだ食べられない段階にいるだけ。そう考えると、少し気持ちが楽になりませんか。
保育の現場で日々見ていると、食べることに対する子どもたちの反応は本当にさまざまです。昨日まで食べていたものを今日は拒否する。かと思えば、ずっと苦手だったトマトを突然「おいしい」と食べ始める。大人の予想を裏切ることの連続です。

食べられるようになるタイミングは子どもが決める
あゆみの森こども園の給食は自園調理で、屋久島の地元食材を使ったメニューを出しています。毎日の献立は調理員が栄養バランスを考えて作っていますが、全部食べることを目標にはしていません。
大事なのは、食事の場が安心できる空間であること。「食べなさい」と言われ続ける食卓と、「今日はここまでにしようか」と受け止めてもらえる食卓では、子どもの表情がまったく違います。笑って食べている子と、うつむいて食べている子。その違いを見れば、どちらが「食べたい」という気持ちにつながるかは明らかです。
周りの子の存在が変化のきっかけになる
園では2歳から5歳までの異年齢保育を行っています。年上の子がおかわりする姿を見て、急に食べ始める子がいます。「あの子が食べてるから」という単純な理由が、大人のどんな説得よりも効く場面があるのです。
もちろん、それでも食べない日はあります。それでいい。食べる量も、食べられるものの種類も、一直線に増えていくわけではありません。三歩進んで二歩下がる。それが当たり前のペースだと思っています。

食育を通じて「食べたい」が生まれる
屋久島という環境を活かして、園ではジャガイモの栽培や味噌づくりといった食育活動にも取り組んでいます。自分で育てた野菜、自分の手でこねた味噌。こうした体験が「食べてみたい」という気持ちにつながることは少なくありません。
ただ、食育をやれば偏食が治るというものでもないです。あくまでひとつのきっかけ。畑で収穫したジャガイモを「いらない」と言う子だっています。それもまた、その子のペースです。
「見る」「触る」「嗅ぐ」から始まる食の経験
食べることだけが食育ではありません。食材を手に取って重さを感じたり、匂いを嗅いだり、色を観察したり。五感を通じた経験が土台にあって、その先に「口に入れてみる」があります。いきなり食べることを求めるのではなく、段階を踏むことが大切です。
尾之間の周辺を散歩していると、パッションフルーツやタンカンなど屋久島ならではの果物を見かけることがあります。「あれは何?」という好奇心が、食への関心を広げる入口になることもあります。
「食べない時期」は必ず終わりが来る
偏食が長く続くと、保護者としては不安になるものです。栄養は足りているだろうか、このままで大丈夫だろうか。その気持ちはよくわかります。でも、成長に伴って味覚は変化し、食べられるものは少しずつ広がっていきます。
園で大切にしているのは、その過程を急かさないこと。今日食べなかったものを明日は食べるかもしれない。来月かもしれない。半年後かもしれない。それでいいのだと、保護者の方にもお伝えするようにしています。
一人で悩まず、園に相談してください
偏食について一番つらいのは、保護者が「自分のせいかも」と感じてしまうこと。そんなことはありません。園での食事の様子をお伝えしながら、一緒に考えていけたらと思います。
気になることがあれば、LINE公式アカウントからいつでもご連絡ください。
園の見学も随時受け付けています。給食の時間にあわせてお越しいただければ、子どもたちが食べている様子を実際にご覧いただけます。見学のお申し込みはお問い合わせページからどうぞ。




