給食を食べない子どもにどう向き合う?無理に食べさせない園の対応と食育の力

窓の外を眺めてから、いただきます

あゆみの森こども園の保育室には大きな窓があって、天気がいい日にはモッチョム岳がきれいに見えます。ある日、2歳児クラスの活動で「今日は何が見える?」と窓の外を眺める時間を作りました。絵の具遊びの前の導入だったのですが、これが思いのほか子どもたちに響いて、しばらく窓に張り付いて山を見つめていました。

この「何かを始める前に、一度立ち止まる」という時間が、実は給食の場面でも大事なのではないかと最近感じています。「はい、給食の時間ですよ、座ってください」とすぐに食卓に向かわせるのではなく、少しだけ気持ちの切り替えの時間を入れる。それだけで、食事への向き合い方が変わる子がいるんです。

大きな窓から自然光が差し込むこども園の明るい保育室内部

「食べない」の裏にある気持ち

給食を食べない子を見ていると、「食べたくない」のか「食べられない」のかで状況がまったく違うことに気づきます。

前の活動に夢中で気持ちが切り替わっていない子。お腹が空いていない子。見た目で「これは嫌だ」と判断してしまう子。隣の子が食べないのを見て、自分も食べなくなる子。体調がすぐれない子。理由はほんとうにさまざまです。

大人でも、仕事に集中しているときに「はい、ランチの時間です」と言われてすぐに食欲が湧くかというと、そうでもないですよね。子どもも同じです。遊びの切り上げがうまくいかなかっただけで食事全体がぐずぐずになることもあります。

無理に食べさせない、でも諦めない

当園の方針は「無理に食べさせない」です。口をつぐんでいる子に「あと一口だけ」とスプーンを差し出し続けるのは、保育士にとっても子どもにとっても苦しいことです。食事が「戦い」になってしまうと、食卓そのものが嫌いになります。

ただし「食べなくてもいいよ」と完全に放置するのとも違います。「今日はお味噌汁だけ飲んでみる?」「このお芋、触ってみてもいいよ」。少しだけ関わりのきっかけを作って、あとは本人に委ねる。この「委ねる」が結構難しいところです。保育士も保護者も、つい「食べてほしい」が先に立ちますから。

手のひらで野花を大切に持つこども園の子どもの手元のクローズアップ

自園調理だからできること

あゆみの森こども園は自園調理です。調理員が園内の厨房で毎日手作りしています。屋久島の豆腐や地元のパン屋ペイタの食パンなど、地域の食材も使っています。

自園調理の良いところは、調理の匂いが園内に漂うことです。11時頃になると、だしの香りや焼き魚の匂いが保育室に流れてきます。大人でも「いい匂い」と思うあの感覚。子どもにとっても同じで、匂いが食欲のスイッチになることがあります。外部の給食センターから届く食事では、こうはいきません。

また、アレルギーのあるお子さんについては、当園では除去食・代替食は作っておらず、1〜2歳児はお弁当持参、3歳以上はアレルギー食材を使う日のみお弁当に切り替えていただいています。入園前にご相談ください。

食べるようになる「きっかけ」はどこにあるか

食べなかった子が食べるようになるきっかけは、意外なところにあります。担任が変わったら食べるようになった子。席の場所を変えたら食べるようになった子。ジャガイモを収穫したあと、ポテトサラダを完食した子。きっかけは予測できません。だからこそ、食に触れる体験をたくさん用意しておくことに意味があると考えています。

味噌づくり、ジャガイモの栽培、森で焼くパン。こうした食育活動は「食べなさい」とは言わない。けれど、食べ物への距離をじわじわと縮めてくれます。


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