ドキュメンテーションで保育が変わる|保護者との対話が深まる記録のちから
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「うちの子、園でこんなことを考えていたんだ」
保育園のお迎えのとき、「今日何したの?」と聞いても「わかんない」「忘れた」と返されることはありませんか。子どもは「今」を生きているので、数時間前のことを言葉で振り返るのが苦手です。でも、園での時間に何も起きていないわけではありません。むしろ、大人が想像する以上に豊かな体験をしています。
その「見えない育ち」を保護者に届ける方法が、ドキュメンテーションです。この記事では、ドキュメンテーションが保護者と園の関係にどんな変化をもたらすのか、あゆみの森こども園の実際の事例を交えてお伝えします。

ドキュメンテーションで変わる親の視点
ドキュメンテーションを初めて見た保護者の反応で多いのが、「こんな表情をしているんですね」という驚きです。家で見る顔と園で見せる顔は違います。友だちと何かを発見したときの目の輝き、苦手なことに挑戦して成功したときの得意顔、集中して手を動かしているときの真剣な横顔。写真と言葉で綴られたドキュメンテーションは、そうした「園でしか見られない我が子の姿」を届けてくれます。
ある保護者は、ドキュメンテーションを見て「家では甘えん坊なのに、園ではこんなにしっかりしているんですね」と涙ぐんでいました。また別の保護者は、「子どもがこんな言葉を使うなんて知らなかった」と笑っていました。ドキュメンテーションは、保護者にとって子どもの新しい一面を発見する窓のような存在です。
保育士にとってのドキュメンテーション
観察力が磨かれる
ドキュメンテーションをつくる過程では、保育士は子どもをより注意深く観察するようになります。「この子は今、何に興味を持っているのか」「昨日と比べて何が変わったか」「この場面で何を感じているのか」。漫然と見守るのではなく、意図を持って観察する習慣がつきます。それは保育の質を確実に高めてくれます。
チームでの共有が深まる
ドキュメンテーションは、保育士チーム内の情報共有ツールとしても機能します。あゆみの森こども園では、担任以外の保育士も子どもの記録を見ることができます。「この子、最近こういうことに興味を持っているんだ」「この間の活動でこんな言葉を言っていたんだね」。ドキュメンテーションを通じて、チーム全体で子どもの育ちを見守る体制ができます。

始めるハードルは低い
「ドキュメンテーションを始めたいけど、難しそう」と感じる保育士は多いようです。確かに、立派なパネルを作ろうとすると時間がかかります。でも、最初から完璧を目指す必要はまったくありません。
スマートフォンで活動中の写真を撮る。子どもが言った面白い言葉をメモする。その日の終わりに、写真を1枚選んで一言コメントを添える。それだけでも立派なドキュメンテーションの第一歩です。大事なのは続けること。最初は1日1枚の写真と一言メモから始めて、慣れてきたら少しずつ内容を充実させていけばいいのです。
ドキュメンテーションが生む対話
ドキュメンテーションの本当の価値は、記録そのものにあるのではなく、記録をきっかけに生まれる対話にあります。保護者が「この写真のとき、うちの子は何を言っていたんですか?」と聞いてくれる。保育士がそれに答える中で、子どもの育ちについて自然と深い話ができる。そんな対話がドキュメンテーションから生まれます。
子ども同士の対話も促されます。掲示されたドキュメンテーションを見て、「あ、これ昨日の!」「○○ちゃん、こんなの作ってたんだ」と子どもたちが話し始める。自分の活動が記録されていることで、子ども自身が自分の学びを振り返るきっかけにもなるのです。
あゆみの森こども園の保育を体験してみませんか
ドキュメンテーションをはじめ、レッジョ・エミリアの理念を取り入れた保育を実践しています。園見学では実際のドキュメンテーションもご覧いただけます。
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