子どもプロジェクト実践レポート|屋久島の保育園で子どもが主役になる学び
「子どもが自分で決める」保育のかたち
保育園や幼稚園での活動は、多くの場合、大人が計画を立てて子どもがそれに沿って動く形で進みます。今日は工作の時間、明日はお遊戯の練習、来週は遠足の準備。もちろんそうした保育にも良さはありますが、あゆみの森こども園ではもうひとつ別のアプローチを大切にしています。それが「子どもプロジェクト」です。
子どもプロジェクトの最大の特徴は、テーマも進め方も子ども自身が主導するということ。大人が「こうしなさい」と言うのではなく、子どもの中から湧き出る「知りたい」「やってみたい」を保育の出発点にします。この考え方は、イタリアのレッジョ・エミリア市で生まれた教育理念に基づいています。

ある年のプロジェクトの話
具体的なイメージを持っていただくために、過去のプロジェクトの例をご紹介します。ある年、子どもたちの間で「音」への関心が高まった時期がありました。ジェンベを叩くときの音、雨が屋根を打つ音、木の枝を叩き合わせたときの音。「どうして音が違うの?」という素朴な疑問が出発点でした。
保育士は「じゃあ調べてみよう」と声をかけ、いろいろな素材を集めてきました。石と石をぶつける、木の板を叩く、水に物を落とす。子どもたちは目を輝かせながら音の実験を繰り返します。そのうち「大きいものは低い音がする」「硬いものは高い音がする」という発見が出てきました。大人が教えたわけではなく、自分たちで気づいたことです。
最終的には、子どもたちが自分で「楽器」をつくることになりました。石や木の実、竹、空き缶。身の回りの素材を使って、世界にひとつだけの楽器を完成させる。その過程で、子どもたちは物の性質について、音の仕組みについて、そして何より「自分で考えてつくる楽しさ」について学んでいました。

ドキュメンテーションで学びを記録する
子どもプロジェクトでは、活動の過程をドキュメンテーション(記録)として残します。写真、子どもの言葉、保育士の気づき。これらを一枚のパネルやポートフォリオにまとめて、園内に掲示したり保護者に共有したりしています。
ドキュメンテーションの目的は、成果を披露することではありません。「この子がどう考え、どう感じ、どう行動したか」を可視化すること。保護者からは「こんなことを考えていたんですね」「家では見られない表情ですね」という感想をいただくことが多く、子どもの内面の成長を共有する大切なツールになっています。
異年齢保育との相乗効果
あゆみの森こども園は2歳から5歳の異年齢保育を行っています。子どもプロジェクトにおいても、この異年齢の環境が良い効果を生んでいます。年長児が自分の考えを言葉で説明し、年少児がそれを聞いて真似してみる。年長児は「教える」ことで理解が深まり、年少児は年上の姿を見て「自分もやってみたい」と意欲が湧く。この自然な学び合いは、同年齢のクラスだけでは生まれにくいものです。
プロジェクトの中で意見がぶつかることもあります。でも、年齢の違う子ども同士だからこそ、「譲り合い」や「折り合い」が自然に生まれる場面もあります。社会性が育つ場としても、異年齢での子どもプロジェクトは大きな意味を持っています。
子どもプロジェクトを見てみませんか
あゆみの森こども園の子どもプロジェクトは毎年2月に行っています。その時期に見学に来ていただければ、子どもたちが夢中になって探究する姿を直接ご覧いただけます。もちろん、それ以外の時期の見学も歓迎です。
お問い合わせはLINE公式アカウントからどうぞ。LINEのお友だち登録で園の活動やイベント情報も配信しています。
園の日常はInstagramでも発信中です。子どもたちの表情や活動の一場面をお届けしています。



